メディカル・モールへの予約
- 2020/02/27
- 18:59
官能小説 メディカル・モール
鈴木愛は、帰宅後にいつものように、簡単な晩御飯を食べ、またスマホを見ながら、部屋で寛ぎます。テレビも点けて、暖かい部屋んでのんびりします。ラインで、友だちとチャットを暫く楽しんで、『そろそろお風呂へ入って寝ようかな~。あっ、そうだ。さっきのサイトにメールしてみようかしら。』 と思い立ちます。
『お試しキャンペーンが、これね。あ、開いた。アンケートに答えるのね。あら、結構詳しく訊いて来るわね。はい、はい、チェックを入れますから。ご体調?ええ、いいわよ。ご希望のコース?全部よお。花粉症?ちょっと目が痒いし、鼻水も出てるわ。虫歯あ?去年治したわ。聴力?都合の悪い事は、聞こえないわね。よく眠れるかって?ちょっと眠れない時もあるわ。食欲?あり過ぎて困るの。喫煙しないわよ。お酒は、少々ね。でも最近、飲みに行く暇なんか無いわ。便秘?ええ、ちょっとね。切痔気味よお。オシッコは、何回って、やっぱり此処は、クリニックなのかしら?出産経験?妊娠も経験無いわ。配偶者?無しよ。性交の経験?何よこれ、婦人科もあったかしら?兎に角、適当にチェックして行くわ。まだ質問はあるのね。』 愛は、細かな項目に、根気よく順番に答えて行きます。お試しの希望予約日時を入力して、送信を押すと、漸くお試し体験受付が、完了しましたと、画面に表示されました。『これでいいのね。じゃ、お風呂に入ろうっと。』 愛は、一日の疲れを取る為、お風呂にゆっくり入ります。お気に入りの入浴剤を入れて、方までお湯に浸かると、自然と♪鼻歌が出て来ます。
コケコッコー
次の日
忙しく一日を仕事で終えて、愛が、漸く帰りの電車に乗ったのは、もう夜の九時近くになっていました。又、つり革に掴まり、電車に揺られます。『それにしても、相変わらず混んでるわね。新しい駅が出来て、更に込んで来たわ。いい迷惑よ。あ、そうだ。昨日の申し込みよ。確か、新着メールが入ってたわね。見てみよう。あ、これね、来てるわ。えーっと、お申込みありがとうございます。予約を確定させるには、注意書きをよくお読みになって、同意するに、チェックを入れて、送信下さい。って書いて有るわ。ああ、細かい字で一杯何か書いて有るわ。まあ、大丈夫よね。エイッとポチる。』 愛がボタンをタップすると、画面に、メッセージが現れました。”サイトの専用アプリをインストールして下さい。これは、予約などをする時に、必要です。いつでも、アンインストール出来ます。”と書いて有った。愛は、少し迷ったが、折角だから、進めようと思い、”インストール”のボタンをタップした。ウィルス対策ソフトが起動して、安全を示す。直ぐにインストール完了の表示になった。
その後、直ぐに自動返信メールが送られて来ました。『ああよかった。これで予約が確定しましたって、来たわ。少し楽しみね。』 鈴木愛は、コトンコトンと、再び電車に揺られて、帰路へと付くのでした。
そして、そのサイバーメディカル・モールとか言う所へ、予約を入れた木曜日になりました。鈴木愛は、予定通りに、仕事を終わらせます。『ああ、よかったわ。何とか、定時までに終えたわ。ふう、疲れたな~。よし、急がなくちゃ。』 愛は、「お先に失礼しま~す。」と、同僚達に挨拶もそここそこに、タイムレコーダーを、ガチャンと押します。未だ、残業をしている人達もいますが、最近は働き方改革で、定時で帰る人も増えました。何人かと一緒にエレベーターへ乗り込み、ビルの玄関へと歩きます。バラバラと駅へ向かう人や、途中で飲食店へ立ち寄る人など、如何にもオフィス街の風景が、拡がります。車の赤いテールランプや、色とりどりのお店の捨て看板が、寒風にチカチカと光ります。
愛は、居酒屋へのお誘いも、丁重に断り、一人駅へ向かいます。ピッと改札を通り、エスカレーターを駆け上がり、タイミングよくホームへ入って来た電車に、駆け込みます。
カタンコトン、カタンコトン。 車窓には、オフィスビルや、高層マンションの窓の灯りが光って、複雑な幾何学模様を造り出しているのが、見えます。『ああ、あの辺よね。今から行く所は。どれなんだろう? どんなところなんでしょう?』 愛は、楽しみにしながらも、やや不安を感じています。『クリニックなのか、エステなのか、よく分からなかったから、用心の為、一応保険証を持って来たけど、どうなのかしら? 病気じゃないから、使えないよね。どうせ、今回は無料だから、関係ないか。』
そんな事を考えている間に、電車はその駅に到着しました。『えーっと、何口で改札を出るんだっけ? あ、北口だったわ。こっちね。』 後ろからの圧力を感じながら、改札をピッと出ます。『クルクルアースに案内して貰いましょう。』 愛は、スマホを取り出し、「OK、クルクル、○×○×へ案内して!」 と話し掛けます。
”オウダン ホドウ ヲ ワタリ ヒダリ へススミマス” とクルクルアースが応えます。 愛が歩くと、マップが回転して、経路がカクカクと進んで行きます。冷たい冬の風が、頬をさします。駅へ向かう人達にすれ違いながら、愛はカッカッとパンプスを響かせて、目的地へ歩を進めます。 幾ブロックか進んで、クルクルアースが モクテキチ シュウヘン デス と教えてくれました。
そこは、確かに住所にあったビル名の通りのビルが聳え立っていました。『あ、ここね。間違いないわ。』それは、新しいビルで、スモーク入りのガラスの扉が目に入ります。マットへ足を踏み入れると、自動ドアが開きました。更に、ガラスの扉があって、閉まっています。横のセキュリティーボードへ、返信メールにあった、暗証番号を入力して、ガラス扉を抜けます。滑らかな床のホールには、エレベーターが二基あり、丁度、片方側の扉が開き、幾人か出て来ました。愛は、入れ替わりに直ぐに乗り込みます。『えーっと、何階だっけ? あ、そう**階だったわね。』 愛が、ボタンを押すと、エレベーターの扉が閉まり、静かに上昇し始めました。 デジタル画面が、パラパラと階数を表示して行きます。真新しいエレベーターは、まだケミカルな臭いがします。それが、足元のフカフカのマットからなのか、黒いツルツルの壁からなのか知らないけれど、如何にも冷たい都会の、どこか知らないビルの中だと感じ取ります。愛は、『ふう~っ。』と大きく息をします。急いで、此処まで歩いて来たので、何も考える暇が無かったのですが、上昇するエレベーターの静けさの中で、ふと急に不安が襲って来ました。『一人で来たけど、大丈夫よね。どんな所なのかしら?ホームページには、色々写真が載っていたけど、今一よく分からないし。』
”ポーン”と音がして、階へ到着した事を知らせます。扉が静かに開きます。愛は、気を取り直して、エレベーターを出ます。落ち着いたオレンジの照明が、通路を照らしています。壁にある案内板を確かめて、『メディカル・モールは、どっちかしら? あ、あったわ。左へ行けばいいのね。』
愛は、通路を歩いて、それらしきドアの前に来ました。『此処かしら。確か、スマホを翳せばよかったのよね。』 事前にインストールしたアプリを開き、ドアの左壁にあるパネルに翳します。ピッと音がして、ドアのロックが解除されるのが、分かります。愛は、ドアハンドルに手を掛け、開きます。フワ~っとアロマの薫りが漂って来ました。『あ、やっぱりエステなのかなあ?』
鈴木愛は、帰宅後にいつものように、簡単な晩御飯を食べ、またスマホを見ながら、部屋で寛ぎます。テレビも点けて、暖かい部屋んでのんびりします。ラインで、友だちとチャットを暫く楽しんで、『そろそろお風呂へ入って寝ようかな~。あっ、そうだ。さっきのサイトにメールしてみようかしら。』 と思い立ちます。
『お試しキャンペーンが、これね。あ、開いた。アンケートに答えるのね。あら、結構詳しく訊いて来るわね。はい、はい、チェックを入れますから。ご体調?ええ、いいわよ。ご希望のコース?全部よお。花粉症?ちょっと目が痒いし、鼻水も出てるわ。虫歯あ?去年治したわ。聴力?都合の悪い事は、聞こえないわね。よく眠れるかって?ちょっと眠れない時もあるわ。食欲?あり過ぎて困るの。喫煙しないわよ。お酒は、少々ね。でも最近、飲みに行く暇なんか無いわ。便秘?ええ、ちょっとね。切痔気味よお。オシッコは、何回って、やっぱり此処は、クリニックなのかしら?出産経験?妊娠も経験無いわ。配偶者?無しよ。性交の経験?何よこれ、婦人科もあったかしら?兎に角、適当にチェックして行くわ。まだ質問はあるのね。』 愛は、細かな項目に、根気よく順番に答えて行きます。お試しの希望予約日時を入力して、送信を押すと、漸くお試し体験受付が、完了しましたと、画面に表示されました。『これでいいのね。じゃ、お風呂に入ろうっと。』 愛は、一日の疲れを取る為、お風呂にゆっくり入ります。お気に入りの入浴剤を入れて、方までお湯に浸かると、自然と♪鼻歌が出て来ます。
コケコッコー
次の日
忙しく一日を仕事で終えて、愛が、漸く帰りの電車に乗ったのは、もう夜の九時近くになっていました。又、つり革に掴まり、電車に揺られます。『それにしても、相変わらず混んでるわね。新しい駅が出来て、更に込んで来たわ。いい迷惑よ。あ、そうだ。昨日の申し込みよ。確か、新着メールが入ってたわね。見てみよう。あ、これね、来てるわ。えーっと、お申込みありがとうございます。予約を確定させるには、注意書きをよくお読みになって、同意するに、チェックを入れて、送信下さい。って書いて有るわ。ああ、細かい字で一杯何か書いて有るわ。まあ、大丈夫よね。エイッとポチる。』 愛がボタンをタップすると、画面に、メッセージが現れました。”サイトの専用アプリをインストールして下さい。これは、予約などをする時に、必要です。いつでも、アンインストール出来ます。”と書いて有った。愛は、少し迷ったが、折角だから、進めようと思い、”インストール”のボタンをタップした。ウィルス対策ソフトが起動して、安全を示す。直ぐにインストール完了の表示になった。
その後、直ぐに自動返信メールが送られて来ました。『ああよかった。これで予約が確定しましたって、来たわ。少し楽しみね。』 鈴木愛は、コトンコトンと、再び電車に揺られて、帰路へと付くのでした。
そして、そのサイバーメディカル・モールとか言う所へ、予約を入れた木曜日になりました。鈴木愛は、予定通りに、仕事を終わらせます。『ああ、よかったわ。何とか、定時までに終えたわ。ふう、疲れたな~。よし、急がなくちゃ。』 愛は、「お先に失礼しま~す。」と、同僚達に挨拶もそここそこに、タイムレコーダーを、ガチャンと押します。未だ、残業をしている人達もいますが、最近は働き方改革で、定時で帰る人も増えました。何人かと一緒にエレベーターへ乗り込み、ビルの玄関へと歩きます。バラバラと駅へ向かう人や、途中で飲食店へ立ち寄る人など、如何にもオフィス街の風景が、拡がります。車の赤いテールランプや、色とりどりのお店の捨て看板が、寒風にチカチカと光ります。
愛は、居酒屋へのお誘いも、丁重に断り、一人駅へ向かいます。ピッと改札を通り、エスカレーターを駆け上がり、タイミングよくホームへ入って来た電車に、駆け込みます。
カタンコトン、カタンコトン。 車窓には、オフィスビルや、高層マンションの窓の灯りが光って、複雑な幾何学模様を造り出しているのが、見えます。『ああ、あの辺よね。今から行く所は。どれなんだろう? どんなところなんでしょう?』 愛は、楽しみにしながらも、やや不安を感じています。『クリニックなのか、エステなのか、よく分からなかったから、用心の為、一応保険証を持って来たけど、どうなのかしら? 病気じゃないから、使えないよね。どうせ、今回は無料だから、関係ないか。』
そんな事を考えている間に、電車はその駅に到着しました。『えーっと、何口で改札を出るんだっけ? あ、北口だったわ。こっちね。』 後ろからの圧力を感じながら、改札をピッと出ます。『クルクルアースに案内して貰いましょう。』 愛は、スマホを取り出し、「OK、クルクル、○×○×へ案内して!」 と話し掛けます。
”オウダン ホドウ ヲ ワタリ ヒダリ へススミマス” とクルクルアースが応えます。 愛が歩くと、マップが回転して、経路がカクカクと進んで行きます。冷たい冬の風が、頬をさします。駅へ向かう人達にすれ違いながら、愛はカッカッとパンプスを響かせて、目的地へ歩を進めます。 幾ブロックか進んで、クルクルアースが モクテキチ シュウヘン デス と教えてくれました。
そこは、確かに住所にあったビル名の通りのビルが聳え立っていました。『あ、ここね。間違いないわ。』それは、新しいビルで、スモーク入りのガラスの扉が目に入ります。マットへ足を踏み入れると、自動ドアが開きました。更に、ガラスの扉があって、閉まっています。横のセキュリティーボードへ、返信メールにあった、暗証番号を入力して、ガラス扉を抜けます。滑らかな床のホールには、エレベーターが二基あり、丁度、片方側の扉が開き、幾人か出て来ました。愛は、入れ替わりに直ぐに乗り込みます。『えーっと、何階だっけ? あ、そう**階だったわね。』 愛が、ボタンを押すと、エレベーターの扉が閉まり、静かに上昇し始めました。 デジタル画面が、パラパラと階数を表示して行きます。真新しいエレベーターは、まだケミカルな臭いがします。それが、足元のフカフカのマットからなのか、黒いツルツルの壁からなのか知らないけれど、如何にも冷たい都会の、どこか知らないビルの中だと感じ取ります。愛は、『ふう~っ。』と大きく息をします。急いで、此処まで歩いて来たので、何も考える暇が無かったのですが、上昇するエレベーターの静けさの中で、ふと急に不安が襲って来ました。『一人で来たけど、大丈夫よね。どんな所なのかしら?ホームページには、色々写真が載っていたけど、今一よく分からないし。』
”ポーン”と音がして、階へ到着した事を知らせます。扉が静かに開きます。愛は、気を取り直して、エレベーターを出ます。落ち着いたオレンジの照明が、通路を照らしています。壁にある案内板を確かめて、『メディカル・モールは、どっちかしら? あ、あったわ。左へ行けばいいのね。』
愛は、通路を歩いて、それらしきドアの前に来ました。『此処かしら。確か、スマホを翳せばよかったのよね。』 事前にインストールしたアプリを開き、ドアの左壁にあるパネルに翳します。ピッと音がして、ドアのロックが解除されるのが、分かります。愛は、ドアハンドルに手を掛け、開きます。フワ~っとアロマの薫りが漂って来ました。『あ、やっぱりエステなのかなあ?』