乳房の触診を

2019/02/27
17:28

　暫く考え込んでいる彩花ですが、ドクターの無言の圧力と、約款をよく読まなかった自分を責め乍ら、どうするか決めかねています。
　ドクターが、更に促します。「さあ、どうぞお決め下さい。次の方もお待ちになっていますからね。モニター応募者の皆さんは、今迄全員受診されていますよ。キャンセルされた方はいらっしゃいませんよ。ご心配なさらないでも、簡単な診察ですよ。」
　彩花は、今自分が置かれた状況に、堪えられそうにありません。到底このままキャンセルして帰る勇気はありません。彩花は、意を決して思います。(そうだわ。ここはクリニックなんだから、お医者さんに診て貰うのは、当たり前の事なのよね。胸を診て貰う事なんて、考えてなかったし、思いも拠らなかったけど、でも診察なら、触られても仕方が無いのよね。それに、日頃お仕事で溜まっているストレスが、ここのエステで発散出来るんだから、いいわよね。)　
　彩花は、思わず言ってしまいました。『はい、ではお願いします。』　
後ろの看護師さんは、あ～あ言っちゃった、知らないわよ。可哀想に．．．と言った感じで、無言で此方を見ました。
彩花は、そうは言ったものの、恥ずかしくて、直ぐには自らブラジャーをずらして、乳房を曝すような事が出来ません。
　ドクターは、優しく言います。「結構ですよ。じゃあ診ましょうね。ブラを上にずらして下さい。そう、もっと上に、もっとずらして下さい。」

彩花は、漸く意を決してブラジャーに手を掛け、ずらそうとします。
震える手で、自らブラジャーに手を掛けて上へずらします。豊満な彩花の乳房が、ブラジャーの下から顔を覗かせました。乳首が見えました。ドクターが言います。「もっと上にずらせますか？　これじゃあ見えませんよ。もっとずらして下さい。」ドクターは、少しイラついて口調が強くなりました。彩花は、自分の乳首がポロリとブラジャーの下から現れると、恥かしさに身の置き所がありません。ドクターの視線が突き刺さるようです。後ろの看護師さんも、品定めをするように、ジロジロと此方を見ています。
乳房触診を断り切れず、場の雰囲気に負けて、ブラをずらすモニター応募者の女性

　「はいそうですね、結構ですよ。でも、もうちょっとしっかり上げて、そのまま持っていて頂けますか？」ドクターは、彩花の乳房を見ると、優しい感じに戻り、声を掛けました。「直ぐに終わりますから、ちょっと辛抱して下さいね～。」
　色白の彩花の豊満な乳房が、診察室の中で晒されます。開いたドアの向こうのスタッフの視線が気に掛かります。でも、もう隠す訳には行きません。これから中年男性ドクターに診て貰わなくてはならないのです。彩花は心の中で叫びます。(早くして～っ！！(；ﾟДﾟ))
　診察室と廊下へ、若くて張りのある白い乳房が、惜し気も無く晒されます。ドクターは、そんな事に思いが至らぬのか、カルテへ何かを記入しています。確かに待たせたのだから、今度は待たされても、文句は言えないのですが、彩花は、気が気ではありません。