内診中・立入禁止
- 2018/05/29
- 20:38

内診台へ上ってしまったら、後は先生にお任せするしかありません。カーテンの向こう側は、誰にもお見せ出来ないものです。前のライトが眩しく光って、足元で何が行われているのかよく見えません。粘膜に風を感じて、これは有り得ない状況です。もう直ぐ先生の診察が始ります。アソコに指でも入れられたらどうしよう。感じてしまい、声を上げてしまったらどうしたらいいの? いいえ、きっと器具を挿し込まれて、痛いだけよね? 濡れていたらどうしよう? 先生、笑うかなあ? きっと看護師さんに、軽蔑の目で見られるわ。

こちらの患者さん用の、膣鏡等がトレーで用意されています。カルテに従って、診察・検査して行きましょう。問診票によれば、性交の経験有にチェックが入っていますね。触診してから、内診、膣鏡診等を行ってみましょう。状況によって、クスコー氏膣鏡は、MかLを使用して膣を開いてみます。
さてと、「では拝見しますよ~。楽にしていて下さいね。ゆっくり息をしましょうね~。」
どれどれ、どんな感じでしょうか?

ドクターの指が、患者さんの性器に触れると、脚がビクッと動きました。やはり、婦人科の診察と言うものは、どんなに心の準備をしていようと、体は反応してしまいます。防衛本能ですね。「あ、あ、あああ...」患者さんが声を上げます。「はい、大丈夫ですよ~、触診していますからね~。心配しないで、楽にしていましょうね~。」

女性外性器の触診
此方で初診の患者さんですので、緊張されているようですね。事前の面談、オリエンテーションで、十分に診察・検査については、ご理解頂いているとは思いますが、やはり実際の診察になると、婦人科ですので、抵抗はあるのでしょうね。無理も有りませんね。丁寧に触診を行います。

初診患者さんの外性器を視診、触診して行きます。模式図を参考にして下さい。パッと見た目に、発疹等の性感染症の有無、腫れ、糜爛等の有無を確認します。更に、触診を行い、シコリ等の異常が無い事を確認します。先ずは、陰毛の状況、クリトリスから診て行きましょう。クリトリスフードを捲り上げます。

The external organs of the female reproductive system include the mons pubis, labia majora, labia minora, vestibule, perineum, and the Bartholin’s glands.
As a group, these structures that surround the openings of the urethra and vagina compose the vulva, from the Latin word meaning covering.

外性器全体を上へ引っ張り上げ、更に陰核包皮を捲ってみます。ふうむ、やや小さめの陰核が見えますね。神経の集中している部位です、患者さんはビクッとしました。脚先が揺れています。

触診に反応して、膝に力が入るのか、内診台がギシギシと軋みます。時々、声か呻き声か分からない、押し殺した息音が聞こえて来ます。ドクターは、執拗にクリトリスを触診します。

続いて尿道口を触診します。特に女性の尿道口は分かり辛いものです。個人差が大きく、蓋がついているようなものや、単純に開口しているものまで、見つけるのが難しいくらいです。導尿などは、女性看護師さんに遣って貰うのが良いでしょう。
膣口を慎重に触診します。指先で左右に拡げて調べます。特に問題は無さそうですね。既にバルトリン腺液が分泌されていて、ライトにキラキラと反射していますね。

女性外性器のストラクチャは、模式図をご覧ください。個人差が大きいのですが、この方は標準的です。
続いて肛門の触診ですね。
指先で更に左右に大きく開いて調べます。ううむ、特に痔疾等は見受けられませんね。問診票にも、気になる点は記載が有りませんでした。

力を抜いて頂くと、この後肛門の皺が露出します。疣痔、切痔などは見当たりません。
これで、陰毛から順に下への触診が終わります。大陰唇等は、なぞって腫れ、シコリ等を調べています。発疹等も見当たりませんね。