婦人科の検査イコール、女性性器を診察すると言う事ですので、性器を診易い姿勢になって貰わなくてはなりません。加えて、検査器具を使用しますから、その使用中に動かないようにして貰う為に、脚を固定しておく必要があります。勢い、人権無視的な姿勢を取って頂く事になります。勿論、診察室内へは、関係者以外の立ち入りは禁止されています。内診中は、スタッフのみが対応します。見学立合者は、医療関係者に限られています。同意があった場合のみです。
患者さんに、内診台へ上って頂いたら、両脚をベルトにて締め動かないように固定します。両脚を大きく開いて頂きますので、事前の問診では、股関節に人工関節とか、その他支障がある手術の有無を必ず確認致します。電動の内診台では、自動的に開きますので、特に注意が必要ですが、このような旧式の内診台では、自ら開いて頂くので安心です。もう既に、性器は内診室内へ曝されています。看護師さんが、バスタオルを掛けてくれる事もあります。
内診台の上では、結構脚を突っ張ったり、バタつかせたりする方がいますので、少々きつめに締めておいた方が安全です。
「それでは、診察しましょうね。カーテンを引きますよ。リラックスして大きく息をして、楽にしていて下さい。」ドクターは、目の前のカーテンを、さっと引きます。これで、診察者側は、見えません。見学者等が来ても、視線を合わせる事はありません。
カーテンが引かれると、診察部位だけが注視されます。
内診台で、大きく股を開いて待たされる患者さん。開いた股の向こうを、スタッフが歩き回ります。無影灯が、眩しく患者さんの股間を照らし出しています。受診者からは、目の前のカーテンによって、視界は遮られますから、現実逃避的に、恥ずかしい場面は無い事にしましょう。暫くの間、違う事でも考えてリラックスして診察を少しでも楽なものにしましょう。とは言え、壁のタイルは無機質で、クレゾールの消毒液の臭いと検査器具を用意するガチャガチャと言う金属音等は、病院独特の恐怖を誘います。
これから始まる診察・検査に、不安げな表情で待つ患者さん
スタッフの声と、ザーザーというシンクの音と、ガチャガチャという器具の音がして、暫くすると、ドクターがこれから診察・検査に使用される器具を載せたトレーを運んで来ました。膣を開いて、内部を診察する開口器です。金属光沢が銀色に冷たく光っています。
この膿盆の中に置かれた、クスコー氏膣鏡を使い、これから患者さんの膣壁、子宮頚部、子宮口等を診察してみましょう。
最初に、外性器の診察から始めます。陰毛や、性器の発達具合を診ます。性感染症や、炎症、腫れ等の有無も調べます。