Alice was not much surprised at this
- 2018/05/02
- 20:26
'Oh, you can't help that,' said the Devil: 'we're all mad here. I'm mad. You're mad.'

鬼はいいました 「まったく油断も隙もあったもんじゃない。子供かと思って気を許したのが間違いだったよ。とぼけたって駄目だぞ。さっきから言っているだろう。お前を、直ぐには帰せないのだ。今、余計な物も見てしまっただろ。この部屋の秘密を知ったからには、ゆっくりお仕置きをしなきゃならん。
この地下牢へ一度入ったら、そいつはどうしようもないよ。ここらじゃみんなキチガイになる。俺様もキチガイ、あんたもキチガイ」
「どうしてあたしがキチガイなんですか?」と心の言葉でアリス。
「ぜったいそうだよ。そうでなきゃここにはこない」と鬼。
アリスは、そんなのなんのしょうめいにもなってないとおもいました。でも、先をつづけます。「じゃあ、あなたはどうしてキチガイなの?」
「まずだね、鬼はキチガイじゃない。それはいいか?」
「まあそうね」とアリス
「すると、だ。犬は怒るとうなって、うれしいとしっぽをふるね。さて、俺様ははうれしいとうなって、怒ると頭をふる。よって、ぼくはキチガイ」
「それはうなるんじゃなくて、のどをならしてるっていうのよ」とアリス。
「お好きなように」と鬼。「女王さまときょう、クロケーをするの?」
「したいのはやまやまだけど。でもまだしょうたいされてないのだ。って、なぜそんなことを知っているのだ? そんな事はどうでもいい。今はな、お仕置きをしなきゃならん。そこへ膝ま着け!!」 鬼は最後は怒鳴りました。
アリスはたいしておどろきませんでした。へんてこなことがおきるのに、もうなれちゃったからです。そして鬼の言う通りにひざまづきました。

「はいはいそれでいいよ」と鬼。そしてこんどは、とてもゆっくりうごきます。つま先からあるいて、最後はニヤニヤわらい。ニヤニヤわらいは、うしろのところでも、しばらくのこっていました。
アリスは思いました。「あらま! ニヤニヤわらいなしの鬼なら見かけるけれど、でも鬼のいないニヤニヤわらいとはね! 生まれて見た中で、一番へんてこなしろものだわ!」
鬼はほんのしばらく歩くと、ピンクの紐と鈎棒を持って来ました。まちがいないと思ったのは、鈎棒は、先っぽが丸い釣り針のかっこうをしていて、はんたいがわには、紐を通す穴が開けてあったからです。あんまりおっきなつりばりだったもので、もし食べ物が付いていたらそのはしをちょっとかじって、3センチくらいになってから止めようと思い、近づきたくありませんでした。それでもなお、びくびくしながらちかづいて来るので、その間もこう思っていました。「やっぱりすごくキチガイかも! やっぱり隣のドアを開けたらばよかったかなあ!」

やがて たちまち しずまりかえり
おもいえがいて たどっていくのは
びっくりどきどき ふしぎの せかいを
ゆめの 子どもが どんどん ゆくさま
とりや けものと 鬼と おしゃべりしながら――
じぶんでも なんだか ゆめうつつ

鬼はいいました 「まったく油断も隙もあったもんじゃない。子供かと思って気を許したのが間違いだったよ。とぼけたって駄目だぞ。さっきから言っているだろう。お前を、直ぐには帰せないのだ。今、余計な物も見てしまっただろ。この部屋の秘密を知ったからには、ゆっくりお仕置きをしなきゃならん。
この地下牢へ一度入ったら、そいつはどうしようもないよ。ここらじゃみんなキチガイになる。俺様もキチガイ、あんたもキチガイ」
「どうしてあたしがキチガイなんですか?」と心の言葉でアリス。
「ぜったいそうだよ。そうでなきゃここにはこない」と鬼。
アリスは、そんなのなんのしょうめいにもなってないとおもいました。でも、先をつづけます。「じゃあ、あなたはどうしてキチガイなの?」
「まずだね、鬼はキチガイじゃない。それはいいか?」
「まあそうね」とアリス
「すると、だ。犬は怒るとうなって、うれしいとしっぽをふるね。さて、俺様ははうれしいとうなって、怒ると頭をふる。よって、ぼくはキチガイ」
「それはうなるんじゃなくて、のどをならしてるっていうのよ」とアリス。
「お好きなように」と鬼。「女王さまときょう、クロケーをするの?」
「したいのはやまやまだけど。でもまだしょうたいされてないのだ。って、なぜそんなことを知っているのだ? そんな事はどうでもいい。今はな、お仕置きをしなきゃならん。そこへ膝ま着け!!」 鬼は最後は怒鳴りました。
アリスはたいしておどろきませんでした。へんてこなことがおきるのに、もうなれちゃったからです。そして鬼の言う通りにひざまづきました。

「はいはいそれでいいよ」と鬼。そしてこんどは、とてもゆっくりうごきます。つま先からあるいて、最後はニヤニヤわらい。ニヤニヤわらいは、うしろのところでも、しばらくのこっていました。
アリスは思いました。「あらま! ニヤニヤわらいなしの鬼なら見かけるけれど、でも鬼のいないニヤニヤわらいとはね! 生まれて見た中で、一番へんてこなしろものだわ!」
鬼はほんのしばらく歩くと、ピンクの紐と鈎棒を持って来ました。まちがいないと思ったのは、鈎棒は、先っぽが丸い釣り針のかっこうをしていて、はんたいがわには、紐を通す穴が開けてあったからです。あんまりおっきなつりばりだったもので、もし食べ物が付いていたらそのはしをちょっとかじって、3センチくらいになってから止めようと思い、近づきたくありませんでした。それでもなお、びくびくしながらちかづいて来るので、その間もこう思っていました。「やっぱりすごくキチガイかも! やっぱり隣のドアを開けたらばよかったかなあ!」

やがて たちまち しずまりかえり
おもいえがいて たどっていくのは
びっくりどきどき ふしぎの せかいを
ゆめの 子どもが どんどん ゆくさま
とりや けものと 鬼と おしゃべりしながら――
じぶんでも なんだか ゆめうつつ