手術室に案内されると、消毒の臭いが鼻にきます。
院長は、前回と違い手術時のキャップにマスクをし緊張感のある格好で女性を診察台に案内しました。
『それでは、台の上に乗って足を足台に乗せて大きく開きますよ。はい、もっと大きく開いて。手術ですから頑張りましょう。』と診察台で涙目になる女性をさとしながらもテキパキと進めていきます。
今日はドレープつまり医療用の緑の布を使用し患部だけを見える形にしあとは保護をします。、患者は緑色の布に覆われて、僅かに足首が見えるだけです。
彼女は顔まで覆われ怖がりました。
『先生、怖いです。』と。
医師は反応せずに、準備を進めていきます。
ガチャガチャと聞こえ器具を準備する音、消毒の臭い。
そして1番緊張感があるいよいよ手術なんだと思わせたのは医師が手袋をはめるパチンパチンとした音。
パチンと最後に音が終わると医師が言いました。
『はい。それでははじめますよ。頑張りましょうね。
危ないから足は動かさないでくださいね。
まずはしっかり洗浄します。クリトリスも剥いて洗いますから痛いですが清潔にするためですから。』と言い、すぐにお湯で洗いはじめると彼女はお湯の温かさに少しほっとしたのかお尻の力を抜き始めました。
『そうそうそのままお尻の力を抜いてね。』と言いながら清潔していきます。
外陰部に問題はなさそうです。クリトリスを剥いた際、『あ!』と声を出し痛みに足がびくっとなりました。
洗浄が終わるといよいよ術前の内診です。
『はいでは、術前の内診をしますよ。お腹を押しながら子宮口をしっかり押します。出血を見るために突きますなら痛いですが頑張りましょうね。では内診します。』と言い終えるとすぐ二本の指を腟部にいれ内診を始めました。
子宮口にこつんと指が触れぐいっと子宮を突き上げると患者は『うー!!やめて痛いです!』と叫びドレープで覆われた手を患部に差し出し医師の手を掴もうとしました。
医師は普段の診察ではない衛生区域の手術室のため声も厳しくなりました。
『痛くても手は出さないで!痛いですがあなたの身体を治すためですよ。はいはい手はドレープの中にしまって。手も固定しますか?』と厳しく言いながらも内診はやめません。出血を見るために子宮口を二本の指で突き上げたり突いたりを繰り返します。
その度に患者は声を出しのけぞります。
痛いのでしょう。
『痛いね、痛いね。もう少しだからね。はいもう一度突き上げますよ。痛いね~』と医師は厳しくなだめながら進めていきます。医師の手袋には血がつき、患者に見せない配慮は医師がしていることは優しいでしょう。
かなり出血しています。
最後に膣に指をいれたまま肛門診をします。これも苦痛を伴い患者は泣いてしまいました。
それでも医師は手を止めません。しっかり肛門もぐりぐりとみます。
患者の腟部からはおりものもひどく内診するとおりものもくちゃくちゃと粘り気よく出てきました。
医師は手袋を交換し、手術用の開口器Lサイズを手に取りました。
子宮口を良く見なければならないため大きくこじ開けなければなりません。患者は脂汗を書くほど痛いでしょう。
緑のドレープに開いた穴に金属製の開口器を差し込みました。キリキリと入れていくたび患者はうーーと声を出しつま先が痛みで動きます。
開口器をいっぱいいっぱいまで開いて固定しました。
患者に医師は口ではーはーと呼吸して痛みを逃してがんばれと話し、患者ははー、はー、と呼吸しながら耐えています。
よく見ると、開かれた器具の奥は、ピンクの粘膜が見えています。
粘膜の奥は、何か丸いものが覗いています。
キャップとマスクの術者が、器具を挿し込み、施術を行います。
局部麻酔らしく、布で胸から下を覆われた女性は、意識があります。
局所麻酔のための注射を手に取り注射の長い針が光ります。医師はためらうことなく子宮口左右の二箇所に局所麻酔を打ちました。
女性は苦痛で顔を手で覆い、足首が動き、布が波打ちます。
麻酔が打たれたあと、彼女は聞きました。
『先生、もうこのあと痛くないですか?』と。
医師は『痛くないと思いますが子宮口から組織を削りますからガリガリ音がするかもしれません。頑張りましょう。』と話し。彼女は痛くないならよかったと安心した束の間、激痛が襲い彼女は固定された両足をバタつかせ痛がりました。
医師は『あともう少しだからね。はいがんばって。痛いね。痛いけどしっかり削らないと病気検査できないよ!はいもう一度削るよ!!』
『ぎゃーーー!!痛いです先生お願い痛い。麻酔したい痛い。いやーー!』と叫ぶ患者。
婦人科の医師は時にこのように辛い処置も患者のためにはしなければなりません。
此処は、婦人科の小手術室です。
女性は経膣で処置を受けています。しっかり患者の子宮口はあとあと若い医師たちの勉強のためにも症例としてあげておきましょう